引っ越し準備の合間に

 今月末で定年退社である。後任に支局を引き継ぐために引っ越し準備をしている。支局の事務室の片隅には前任地から運ばれてきた段ボール5箱がほぼそのままで1年半置かれたままだった。荷物をできるだけ減らそうと、建屋が崩れた福島第一原発3号機中身をチェックして捨てられるものを選ぶ。雑多な資料や本のほかにDVDも結構ある。その中の一つに「福島第一原子力発電所は、今」があった。東京電力制作で東電のホームページの動画アーカイブで今も見ることができる。DVDを入れるプラスティックの容器には「2015年1月23日」との手書きがある。段ボールをさらに探ると「福島第1原発資料」と書かれた封筒が出てきた。

 縱約35cm、横約25cmの大型封筒の中に全部で150ページ分くらいの資料が無造作に詰め込まれている。その中に「1F視察ルート図」「平成27(2015)年1月28日(水)」と書かれた1枚の資料があった。1Fとは福島第1原発のことである。視察前に東電で事前の説明会があって、1月23日がその日だったのだろう。

 東電のホームページを見ると「福島第一原子力発電所は、今~あの日から、明日へ~」は14(同26)年12月22日に公開された。その動画がDVDで視察参加者に配られたようだ。

 ほかに参考資料として「東京電力福島第一原子力発電所の現状と今後の対応について」(平成27年1月15日)「福島第一原子力発電所水処理設備について」(平成27年1月15日)「福島復興への責任を果たすために~福島復興に向けた取り組み」(平成26年12月24日公表)などが封筒の中に入っていた。

 冒頭の写真は「H24.10.26(Fri)東電視察」と書かれたDVDに納められた写真の1枚である。水素爆発で吹き飛んだ福島第一原発3号機の建屋の上部が写っている。2012(平成24)年10月26日に事故後初めて福島第一原発に入った。事故から1年半余りが経過していた。

 福島第一原発のニュースは少なくなったが、時折見たり聞いたりする。「『凍土壁』が云々」などと今になっても言っているところを見ると、遥か先の廃炉に向けた作業はなおも紆余曲折を繰り返しているのだなとやるせない気持ちになる。

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