家庭で役立つ防災知識

大量の家財道具が廃棄物となる 大分県が発表している台風18号に関する災害情報の最新版は23日午後3時現在の第18報である。それを見ると、津久見市の住宅の浸水被害がなお増え続けている。第17報(22日午後6時半現在)と比較してみる。例えば県内の住宅の床上浸水被害は17報の1389棟から18報で1463棟に増えた。増えたのは津久見市(896棟から972棟に)である。市にとって想定外の事態だったのだろう。被害の全容をつかむのに時間がかかっている。

 災害を見るにつけ聞くにつけて思う。どうやったら少しでも被害を減らすことができるのか、と。

 そう思って、いろいろネットで検索するうちに国土交通省が出している冊子「家庭で役立つ防災」を見つけた。

 浸水被害でどれだけの廃棄物が発生するのか。環境省の資料で「災害廃棄物の発生量の推計方法」というのがあった。これは地震と津波で「南海トラフ巨大地震」と「首都直下型地震」を算出対象としているようだ。

 大雨被害とは違うが、参考にはなるだろうと考えて数字をチェックした。それによると床上浸水(津波浸水深が0.5m以上1.5m未満の被害)では廃棄物は1世帯当たり4.6トン、床下浸水(津波浸水深が0.5m未満の被害)では0.62トンとの推計だった。

 大雨などの被害でも大きくは変わらないだろう。減災で大きいのは床上浸水を減らすことだともいえる。ではどうすればいいか。国交省の「家庭で役立つ防災」「家庭で役立つ防災」はまず「高床式」にすることを提案する。1階を駐車場などのスペースにし、2階以上を住居とする「ピロティ構造」である。

 現在、津久見市が検討を進めている新市庁舎の建設方法でも、有力なのがこのピロティ構造だ。1階を空きスペースとすることで、南海トラフ巨大地震に伴う津波対策にも有効ということが根拠になっている。

 1階を住居としないピロティ構造を採用しないのなら、盛り土はどうかと「家庭に役立つ防災」は言う。盛り土して家自体を高くすれば浸水被害の可能性は小さくなる。

 堤防の役割を果たす門扉、陸閘(りっこう)や防水性のある壁で自宅を防御することも有効と「家庭で役立つ防災」は言う。

 国交省の別の資料で面白かったのはオランダのフローティングシティ。家屋が水に浮く構造になっており、水位の上昇に応じて家が浮くのだそうだ。ピロティ化するよりも構造上強く、浸水による被害額よりも安価に建築できるとオランダ政府は説明したそうだ。

 個人ではなく、もう少し広く、地域で災害に強い街づくりを進める-。そんな事例も国土交通省のホームページなどにたくさん掲載されていた。

 個人的には津久見市の場合、新市庁舎をピロティ構造にするとの発想にとどまらず、JR津久見駅を中心に浸水被害が大きい中心市街地全体の「底上げ」「かさ上げ」をする方法がないか、考えてみてもいいと思っている。

 というのも今回の台風18号で床上浸水、床下浸水の家屋が多く発生した臼杵、津久見、佐伯3市は、南海トラフ巨大地震とそれに伴う大津波で市街地に大きな被害が出ると想定される地域である。

 必ず来るであろう大災害を考えるとき、補助金でも何でもつけてかさ上げした住宅やピロティ構造の住宅をより多く整備しておいた方が明らかに被害額は小さくなる。

 先に環境省の試算にもあったが、床上浸水の家屋を減らすことがそのあとの廃棄物処理を楽にする。結果、大災害からの地域の復旧・復興は早くなる可能性が大きい。

 個人の住宅改修に公の補助を充てるのはどうかとの意見があるかもしれない。ただ、環境省の試算にもある通り、「床下」から「床上」と被害が大きくなるにつれ、その処理にかかる費用も大きくなる。予防のために金を使うか、復旧・復興のために金を使うかだけの差にも見えてくる。

 南海トラフ巨大地震と大津波がいつ来るかは分からないが、それが起きることは間違いない。とすれば、座して待つより、今回の水害を教訓として、巨大地震と大津波にも耐えられるまちづくりのために、これまでなかった予算や施策を国や県に積極的に要求していってはどうか。

 話は変わるが、「家庭に役立つ防災」で個人的に役立ちそうだと思ったのが、「浸水直前の対策」。下水道の逆流を防ぐということで「水のう」を活用すること。ビニール袋に水を入れた「水のう」をトイレやふろ場、洗濯機の排水溝に置くことで逆流を防ぐという。

 防災知識のある人には常識だろうが、こんなことは考えてもいなかった。参考になった。

 

 

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