日豊線の復旧見通しは

落ちる寸前の栗の実 午前中はクリ拾いに行き、午後は図書館に行った。クリの収穫も終盤に差し掛かっている。さて、図書館に行ったのは新聞を読むためである。25日にJR九州の大分支社長が記者会見したことを夕方のテレビニュースで知った。新聞各紙がどう書いているかを確認したかった。大分合同新聞は日豊線について「復旧までに数か月か」「土砂崩れ深刻」と一足先に報じていた。そのために26日付朝刊では日豊線に関しては記事の見出しにもとらない、あっさりとした扱いだった。

 しかし、と個人的には思う。地方の鉄道路線をどう維持していくのかは鉄道事業者だけの問題ではないだろう、と。

 南海トラフ巨大地震と大津波があれば日豊線も被害は避けられまい。沿線人口が減る中で、大災害も念頭に置きながら、どうすれば鉄路を維持、存続させていけるのか-。地域全体で考えるべきテーマであり、今回の台風18号による被害はそのきっかけになると考えた。

 日豊線を佐伯から臼杵へと追っかけて行って改めて考えたのは鉄路を維持することの意味とその役割である。佐伯から津久見へと続く日豊線大変なのは1箇所でも不通になれば広い区間にわたって影響が出ることだ。道路ならば迂回路があるかもしれない。ただ、2本のレールでつながった鉄路は、不通箇所があるから、そこは迂回してとはならない。

 鉄道が止まって一番困るのは、列車を使って通学する学生である。一家に一台どころか、一人に一台といった風にクルマが浸透してしまった現状では、大人は列車が動かなくても、都会のようには困らない。鉄路が寸断されてて困る人をさらに探せばJR貨物が頭に浮かぶ。

 日豊線の現状はどうなのか。読売新聞の見出しは「日豊線臼杵-佐伯」「復旧に数か月以上」。西日本新聞は「日豊線の復旧に『数か月以上も』」「臼杵-佐伯、JR九州」とある。

 毎日新聞はJR九州全体の話で、見出しは「JR九州 台風被害200カ所」「18号 大分中心」「被害額は算定中」とあり、見出しに日豊線の文字はない。

 3紙は第二社会面など本版に小さな記事で掲載したのに対し、朝日新聞は大分県内向けの地方版で少し大きめの記事にしている。朝日新聞の見出しは「JR日豊線の不通長期化へ」「臼杵-佐伯被害集中」「豊肥線は来月2日再開」とある。

 記事によると、台風18号による日豊線全線の被害は100カ所あまりで、このうち54カ所が不通が長期化しそうな臼杵-佐伯間に集中している。津久見市徳浦の日豊線津久見市の「日見トンネル」付近の線路には長さ約250mにわたり土砂が流入しているという。25日に津久見市徳浦地区で見た山の崩落現場のところだろう。

(追記:日見トンネルは津久見~日代間にあり、徳浦地区の崩落現場は徳浦信号所付近との指摘を受けました。地図を確認したところ確かに日見トンネルは日代駅から津久見駅側にしばらく行ったところにありました。崩落規模が大きそうなので徳浦付近と思い込み、トンネル位置の確認が不十分でした)(追記Ⅱ:土砂の崩落現場として大きいのは「徳浦信号所付近」と「日見トンネル」付近の2カ所となる)

 記事は続ける。日見トンネル付近の復旧現場現場はトンネルとトンネルに挟まれ、土砂を撤去できる重機が通れる道がなく、復旧のめどが立てられない、とJR九州の大分支社長は説明したという。きわめて難しい工事で「運転再開まで数か月または年単位かかるかもしれない」との支社長の言葉を掲載したのが西日本新聞だった。

 同紙によると、日見トンネル付近とともに津久見駅の線路設備が被災したのも大きな問題のようだ。同紙は続けて復旧の工法は決まっておらず、用地取得が必要になる可能性もあるとの話も記している。

 時間はかかっても日豊線は再開するだろう。ただ、今後も台風、豪雨、地震、津波、高潮などの大きな災害がないとは言い切れない。むしろ、豪雨などが増える恐れもある。100年余り前に開業した現在の日豊線の防災力は十分といえるのだろうか。

 鉄道を架け替えて新線を造れなどと言うつもりはない。ただ、地域の鉄路を守ろうと考えるならば、民間企業である鉄道事業者(JR九州)だけの問題としてとらえるべきではないと思う。

 巨大地震と大津波など最悪の条件下で、どうやって鉄道の被害を最小化するか。そのためにどこをどう守ればいいのか。そのための費用は誰が負担するのか。そんなことを地域として考え、必要ならば県なり、市なりが補助金など必要な制度を国に求める。将来につながることを考えたり、したりしなければ大きな災害の経験、教訓は生きてこない。

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