就農学校のあれこれを

引き抜かれた落花生 落花生を引き抜いていたら、何か声が聞こえてきた。少し遠くを選挙カーが通ったようだ。10日は衆院選の公示日である。ご苦労なことだ。さて、家庭菜園というにはいささか広い菜園の一角にある落花生は当方が植えて育てたものではない。収穫をほんの少し手伝っただけだ。農業を基礎から学びたいと思うが、体力にはもう一つ自信がない。大分県内にはさまざまな就農学校やファーマーズスクールがあるが、門をたたく勇気はまだ湧いてこない。

 改めて大分県のホームページを見てみた。新着情報の中に農業を始めたい方必見! 大分県内の主な研修制度のご紹介(花きの杵築市ファーマーズスクールが新設されました!)‐があった。

 この日誌でも、就農学校やファーマーズスクールについて触れたことがある(7月19日付佐伯支局長日誌「キクに代わるヒマワリ」)。

 農業の本格的研修を、と考えて浮かぶのは大分県立農業大学校(豊後大野市)である。就農準備研修では長期(11カ月間)と中期(8カ月間)、それに随時(3か月以内)の3コースがある。濃い緑が失せてきた落花生長期、中期は主に職業訓練として行われ、大分高等技術専門校(大分市)を通じて申し込む。

 ちなみに同専門校に入校できるのは39歳まで。農業大学校の長期コースに参加しようと思えば自腹で研修費用を払うしかない。そうすることもできるが、どこまで続くかと考えるとどうも自信がない。

 このほか、県内の市や町が就農学校やファーマーズスクールを開設している。7月19日付の日誌では佐伯市のファーマーズスクールを少し紹介した。

 ところで、就農学校とファーマーズスクールの違いは何か。県の担当課に電話で聞いてみた。学校には施設があり、先生がやってくる。これに対し、ファーマーズスクールでは研修生が「先生」である先進農家のところに行って勉強する。基本的な違いはここ-との説明だった。

 ちなみに大分市のファーマーズスクールには「イチゴ」「ピーマン」「ニラ」の3品目がある。

 ピーマンと言えば、佐伯支局長時代に臼杵市アグリ起業学校でピーマンの栽培を勉強する移住者夫婦と知り合いになった。今は学校を卒業し、一本立ちしている。一度きちんと取材して記事にしようと思っていたが、定年退社までには果たせなかった。

 さて、選挙カーの声を聞いたところで、衆院選に関しても一言。日本農業新聞が9日付朝刊で特集を組んでいた。「各党に聞く農政課題」「どうする食料・農業・農村政策」ということで、同紙が各党に行った公開質問の内容と各党の回答が見開き2ページで掲載された。

 与党の回答を要約すれば政策課題の全てに「万全を期します」「適切に対応します」となる。洗って泥を落とした落花生農業新聞によると、公明党は2025年の食料自給率45%の目標達成に向け、消費・生産両面の施策を展開しますと回答したそうだ。目標達成を誓うのはいいが、具体的にどうやるのか。その実現可能性はどの程度あるのか、紙面の文言だけではよく分からない。

 公約や約束が果たせない。ないことではない。現政権の経済政策の一番の肝は、2年で前年比2%の消費者物価の上昇を達成し、デフレを脱却するとの日銀の約束だった。そのために日銀は異次元と呼ばれた大規模な金融緩和を実施した。

 さらに、政府の機動的な財政出動と大胆な規制緩和により経済成長が加速し、財政再建にも目鼻がつくはずだった。だが、異次元の金融緩和を4年、5年と続けても2%の物価上昇は実現してない。財政再建も先送りである。

 万能の神でもない人間がやることである。失敗や間違い、誤算もある。大切なのは失敗を失敗、誤算を誤算として認め、なぜ失敗したのか、なぜ読み違えたのかを検証することである。

 米国では失敗を徹底的に検証し、教訓を引き出すのだという。米国のことはよく知らない。しかし、日本のことは少し分かる。今の一番の問題は失敗や誤算にきちんと向き合わないこと、曖昧にしてしまうことにある。政治だけが何とかでなく、官僚組織にもそのにおいを感じる。

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