大分全域をホスピスに

在宅医療推進フォーラムの資料 ちょっと悟ったようなことを言えば、人生とは日々死に向けて歩き続けているようなものだ。老いれば誰しも病気にもなる。だから助け合おう。病気や障害を抱えた人も暮らしていける地域をつくろう―。フォーラムの目的はそう広く呼び掛けることにあったようだ。21日に大分市で大分県在宅医療推進フォーラムが開かれた。テーマは「大分でできる!在宅医療・介護」。多くの人が望む「住み慣れた場所で最期を迎える」ことをかなえていくにはどうすればいいか。鍵は「多職種連携」であり、「地域」というのが、その答えだった。

 フォーラムは大きく3部構成になっており、第1部がシンポジウム「大分でできる!在宅医療・介護」、2部が特別講演で「生きる力を育むコミュニティ緩和ケア」、最後が3会場に分かれての分科会となっていた。

 開会あいさつは、やまおか在宅クリニック(大分市)の山岡憲夫院長と大分県知事(副知事が代読)が行った。山岡さんはシンポジウムでも4人の登壇者の1人として、開院以来8年間で1000人以上を在宅で看取った経験を踏まえた話を披露。がんでも認知症でもどんな病気であっても在宅で最期を迎えることが可能であると強調した。

 山岡さんによると、フォーラム会場に貼ってあった資料大分市では在宅診療を行い、看取りをする医師が増えてきているのだそうだ。九州では大分県も含めて自宅で亡くなっている人の割合低い。医療施設などが比較的多いためだが、その中で大分市は11.3%と全国平均(12.8%)に近づいてきているのだという。

 在宅での看取りを進めていくには、それに積極的な医師の存在にも増して鍵となるのが24時間型訪問看護ステーションの存在だ、と山岡さんは言う。大分市内には現在24カ所あり、その支えが大きいという。しかし、医師と訪問看護師だけで在宅看取りができるわけではない。患者本人の不安とともに介助する家族の不安を解消するためにケアマネ、薬剤師、歯科衛生士、ヘルパー、ソーシャルワーカーなど「多職種」の協力が要る。

 フォーラムには、ほかに作業療法士や理学療法士、言語聴覚士、管理栄養士なども参加していた。こうした人たちが顔を合わせ、それぞれの職場や職種の現状や課題を語り合うこともフォーラム開催の狙いとなっている。

 山岡さんが昨年看取った人の8割が末期がんだったが、がん以外のケースも増えてきているという。その経験から「どんな疾患であっても在宅での看取りは可能」と語る。

 在宅医療は金がかかるのではないか。そんな誤解をしている人も少なくないと言う。在宅診療も病院の外来と同じであり、在宅での高度治療もできるようになってきたのと説明もあった。医療や医療保険制度に関する誤解はほかにもある。山岡さんらは言う。

 例えば認知症、とシンポジウムに登壇した1人の山内医師は語る。山内さんは精神科医で佐伯市の佐伯保養院副院長。がんは2人に1人がかかる病気だが、認知症も65歳以上の高齢者の3人に1人がなる病気だとされる。

 山内さんはがんの研究、治療が進んでいるのに比べて認知症への対応は遅れ気味だという。しかも、社会には認知症に対する先入観や偏見がある、とも。「近隣に認知症であることを隠さなければならなかったり、徘徊しないように鍵を掛けたりしなければならない地域では、家族をひっくるめた幸せな認知症ライフを送ることはできない」。偏見があることが現実と言われれば否定はできない。

 老いや病気、障害。誰もが逃れることはできない。65歳以上が人口の4割を占める。これが地方では常識である。しかも、高齢者のうちでも後期高齢者と呼ばれる75歳以上の割合が徐々に高まって行く。超々高齢社会をどう乗り切るか。山岡さんの「大分市全体をホスピスに!」との発言を聞きながら、ホスピス(緩和ケア)か、「そうだな」「そうすべきかな」との思いもあって、その言葉を日誌の見出しにした。

 フォーラムの話を聞きながら、当事者が意図したこと、メッセージがぼやけ、うまく伝わってないなと思えたところもあった。同じようにこの日誌も書きたいことがうまくまとまらなかった。続きは明日以降の勉強に譲りたい。

 

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