マウスをフル活用して

建築CADではマウスが主役 建築CADの主役はマウスである。右クリック、左クリック、右ダブルクリック、左ダブルクリックと休む間もなく動き回る。例えば右ダブルクリックで何ができるか。7日にやった練習問題があった。一つの線に交差する複数の線をそろえたい。右ダブルクリックを使う作業そんな時に使うのが「伸縮コマンド」である。練習問題は「左図を参考に線分を伸縮させなさい」とある。

 具体的にはマウスの矢印(ポインター)をAとBを結ぶ線に乗せ、マウスの右で2回押す。そして、5本の横線を順番に左クリックしていくと左図のようにAB線ときちんとつながっていく。コンピューターのソフトとマウスでできることは全てやらせる-。これが建築CADによる製図の基本発想である。ありがたいことに、その操作方法を習得すれば当方のような素人にも「玄人はだし」のりっぱな製図ができるというわけだ。

 ポリテクセンター大分建築CAD・リフォーム技術科のCAD講習は2日目が終了した。使っているソフトはJW_cadである。講習が始まる前に「JW_cadで学ぶ建築製図の基本」(櫻井良明著、エクスナレッジ刊)を買ったが、この本は最新版のJW_cad8対応版で、ポリテクセンターでは一つ前のJW_cad7.11を使っている。

 決して予算がないから新規バージョンを使えないのではなく、最新版にはまだバグがある、つまり完全ではないとの意味で採用していないとの説明だった。

 「習うより慣れろ」。マウスの右左を同時に押さえると人に教わるより自分で経験した方が手っ取り早い。そんなことわざもあるが、やはり習った方が早い。本を読んだら、最初から面倒くさくて難しそうだった。ただ、職業訓練校であるポリテクセンターの講習はさすがに素人も教えているだけある。取っ付きにくいCADもこちらの方が分かりやすい。2日目までなんとかついていくことができた。

 それにしても、と思う。パソコンが仕事の中心となり、日常生活にもこれほど浸透するとは思ってもみなかった。

 36年前に新聞社に入社した時、記事は鉛筆で15字詰めの小さな原稿用紙に書いた。それをデスクが赤鉛筆で加筆修正する。駆け出しの頃は自分が描いた文章はほとんど残っていないことも多かった。

 デスクが原稿を見ている間にカメラのフィルムを取り出し、暗室で現像・焼き付けの作業をした。出来上がった写真は電送機で本社へと送る。

 今考えればのんびりとした牧歌的な風景である。夕暮れの大分都心今はパソコン、デジカメは必携で、現場で記事も写真も送れる。仕事のスピードが比較できないくらい速くなった。当方には予想もできなかった変化が起きた。手書きは40年近く前の昔のことともいえるし、わずか40年ほど前のことともいえる。

 IT(情報技術)だの、AI(人工知能)だので便利になる、誰でもできるようになる。それはいいのだが、この人でなければできないといった職人技が影を潜めていくようなことには寂しさも感じる。建築CADのイロハを習いながら、そんなことを考えた。

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