タックスイーターとは

タックスイーターを読み始めた 建築CADの基本操作が一通り終わって、CADを使って平面図を描く作業に入ったのは、12日の訓練の最後の30分くらいだったろうか。勉強が一歩進んだ気がして少し嬉しい。この日から、ポリテクセンター大分に持っていく荷物の中に岩波新書の「タックス・イーター」(志賀櫻著)を入れて、暇を見つけて読んでみることにした。

 建築関係の本とともに大分県立図書館で借りたことは10日付のこの日誌「財政再建なき増税論議」で書いた。志賀氏のタックス・イーターは2014(平成26)年12月に発行された。当時ざっと読んだのだが、年末恒例の政府与党の税制改正のニュースを見て、改めて読んでみる気になった。この本は極めて分かりやすい。

 本の冒頭にある「はじめに」で著者は「周知のように、日本の財政状況はいま危機的な状況にある」と書く。そして、なぜ、そんな状況に陥ったのか。それを明らかにしたいと書く。内容は明快である。

 この本が出て3年が過ぎたが、危機的な財政状況は変わらない。むしろ状況は悪くなっていると思っている。「今そこにある危機」に対し、政治家も官僚も専門家も見て見ぬふりをしていると強く感じるからだ。

 「はじめに」にある「本書の目的と視角」で著者は「(財政が)なぜこのような惨憺たる状態立ち至ったか。その原因は数々指摘されている。借金をしないと賄えない国の財政なかでも本書が注目するのは『タックス・イーター』(tax eater)の存在である。国民の税金を食い荒らし、日本経済の屋台骨を蝕むタックス・イーターの悪行を明るみに出す」と書いている。

 タックス・ヘイブン(租税回避地)などを使って、巧みに納税の義務を逃れる富裕層や多国籍企業、大手企業も問題なら、集めた税を本来必要かどうかも分からないものに使う輩も問題である。

 本来ならば、そうした不透明な税の使途がないように厳しく監視されていなければならないのになぜ、できないか。タックスイーターとは「政官業の鉄のトライアングル」であり、その中心に座るのが「族議員」というのが著者の指摘である。政官業のもたれあいの中で税の使途が決まっていくとすれば、それに異議を申し立てるのは報道の役割になる。しかし、これにも疑問符が付く。

 タックス・イーターについては読み始めたばかりで、詳細は改めて報告したい。志賀氏は青山学院大学法学部三木義一教授らと民間税制調査会(民間税調)を立ち上げた。元大蔵官僚であり、本を書いた当時は弁護士だった。志賀氏の著作を手に取るとともに久々に民間税調のホームページにアクセスしてみた。

 素人がこんなことを言うのも口幅ったいが、税制、財政、金融政策についてまともに議論する場が少なすぎる。民間税調はその貴重な場の一つといえる。

 そのホームページに志賀氏は今も名を連ねているが、残念ながら2015(平成27)年12月に亡くなっている。志賀氏が存命なら、今どう言うか。その分析、発言を是非聞いてみたいと思う。

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