大分県が3年で消える?

大分市の新興住宅地の風景 2017(平成29)年に生まれた赤ちゃんが94万1000人で、亡くなった人は134万4000人‐。厚生労働省が22日に公表した人口動態の年間推計で分かった。そんなニュースがあった。死亡数から出生数を引いた人口の自然減は11年連続で、今年は過去最大の40万3000人(前年比72000人増)になったという。

 ちなみに大分県の人口は約115万人、県都の大分市は約48万人である。単純に考えれば大分県なら3年で、大分市も1年余りで消えてしまう-そんなペースで今年は人口が減り、来年以降はこれが加速する可能性が極めて強い。

 この問題が深刻なのは、本格的な人口減少、少産多死の時代が来ることが早くから分かっていたのに、結果としてそれを抑止するための有効な手立てが講じられていなかったことだ。

 ボヤのうちに消し止めておけばよかったのに手をこまねいているうちに大火事になってしまった。今の状況はこう例えてもいい。

 いやいやそんなことはない。例えば公的年金制度は人口減少に備えた制度の見直しをして、100年安心の制度のつくり変えた。そんな指摘があるかもしれない。年金制度改革は10年以上前の話である。

 そのころの記憶をたどれば、次のようなことだったと思う。年金をもらう65歳以上の高齢者が増え続ける中で、逆に年金を支える現役世代は減っていく。こんな仕組みが続くわけないと誰もが考える。そこで、どうしたか。現役世代が支払える範囲で年金を支給するようにすれば公的年金制度は持続可能となる。

 100年安心の年金改革は年金の受給者側ではなく、それを支える側に立った制度変更という意味で画期的だった-。当時、そんな説明を聞いたり、読んだりした記憶がある。

 5人に1人が高齢者だった時代は4人が1人の高齢者の生活を支える形だった。現役世代が1人1万円ずつ出せば4万円を支給できた。それが3人に1人が高齢者となれば、2人で支えることになる。4万円を支給するには現役世代に1人2万円の負担を求めることになる。

 しかし、そんなことは言えない。何とかして1人1万5000円まで負担を増やしてもらったとしても支給できる額は3万円にとどまる。高齢化が進み、国民の半数近くが65歳以上の高齢者になったらどうか。現役世代の1人が1人の高齢者を支えるとしても負担する額は1万5000円である。

 年金制度を維持していくためには年金支給額をどんどん減らしていく必要がある。公的年金は高齢者の老後を支える「主たる収入」として制度設計された。しかし、急速な少子化で公的年金の性格は大きく変わらざるを得ない。

 高齢者の生活基盤となる「主たる収入」から国からもらえる「お小遣い」程度の水準まで年金支給額を切り下げなければならない。少子化社会の現実とはそういうことだと思うが、為政者はそんなことは言えない。選挙で大敗することは必至だからだ。

 結果、誰もが「今そこにある危機」を見て見ぬふりをすることになる。今年の漢字は「北」だったそうだ。個人的には去年も今年も来年も、いや10年以上前から毎年「減」であるべきだったと強く思っている。

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