巨匠を知る旅の入り口

巨匠ライトの生涯を描いた本 年末年始の休み用にと12月28日に大分県立図書館で借りた4冊のうち、3日は「未完の建築家 フランク・ロイド・ライト」(エイダ・ルイーズ・ハクスタブル著、TOTO出版)を手にしてみた。近代建築の三大巨匠と呼ばれるライト(1867~1959)の生い立ちから晩年、死に至るまでの「波乱万丈の人生」がまとめられている。

 ただ、この1冊だけでライトの考え方、建築が鮮明に理解できたかというと、そんなことはない。ちょっともやもやした気分が残ったと思ったら、最後の「訳者あとがき」に「本書が、この巨人を探す長い旅の『入り口』のようなものになれば」と書いてあった。

 なるほど、そうだなと一人で合点した。

 アウトサイダー、異端者、権謀術数の達人、完璧なペテン師‐ライトを評する様々な言葉が本書にある。しかし、一番興味深いことは著者の謝辞の中にある。「ライトの作品と、ハイテクに精通した若き建築家による最先端のコンピューター技術を使ったデザインの間に、驚くべき類似点がある」ことに著者は気づいたという。

「コンピューターを使って形態が組み立てられるようになって、彼(ライト)の作品のラディカルな側面はそれほど目立たなくなったかもしれないが、時代背景を踏まえ、同時代の建築家の作品と比べると、それはあまりにも型破りだった」。ここらがライトの作品を今学ぶことの意味、意義になりそうだ。

 

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