よそゆきのうすき朝市

りっぱなタチウオが売られていた 月は随分と欠けてきたし、風も収まっているようだ。まずまずの気象条件で、そこそこの漁はあったのではないかと期待して臼杵市の臼杵魚市場に出かけてみた。毎週土曜日は「うすき海鮮朝市」が開かれる。行ってみると、売り台にりっぱなタチウオが置かれている。他にもハマチ、エソ、イトヨリ、クロ(メジナ)、チダイ、ホゴ(カサゴ)、カマガリにサワラ、レースケ(クロアナゴ)、サメなどが見える。コウイカに加えてタコも出ている。

 これは随分と漁があったのだなと思い、品定めを始めたが、どうも普段の朝市と少し様子が違う。いつもより少しおめかしをして「よそ行きの顔」をしている感じなのだ。後で話を聞いて、その理由が分かった。

 違和感を感じた第一は値段である。イトヨリ1匹200円、エソ1匹250円、クロ(メジナ)1匹300円といったものは普段の値付けとそれほど変わらない。売り台にはさまざまな鮮魚が並ぶその横の釣り物のタチウオに目を転じると100g330円とある。そして、その反対側にある大きなタコは4900円の値札がある。ここらあたり「おや、いつもと何か違うな」と思わせる。

 朝市では決して高いものがでないというわけではない。しかし、他にもサワラが1匹4000円で、カボスブリは確か1匹7000円だった。

 朝市には、当方も含めて、新鮮で、手頃に買える魚を求めて来る人が多いと思っていたので、うまそうなタコだが、手が出ない値段だったこんな値が張る魚介類が幾つも並んでいるのに不自然な感じがした。いつもと違うと思ったのは、これだけではない。もう一つ違和感を感じるものがあった。

 朝市に来ている人をよく見ると、臼杵市役所職員や同市議会議員の顔があった。以前も1人、2人と朝市で知り合いに会ったことはある。それで、偶然一緒になったのかと最初は思ったが、この日に限って、何人もいるのはどういうことか。さらに、小型カメラを片手に朝市の風景を撮影している人が2人いる。

 スマホで写真を撮る人はいるが、わざわざカメラ持参という人はほとんど見ない。地元ケーブルテレビの取材かと思ったが、それならば顔が分かる。

 何だろうかと不思議に思い、合点が行かずにいると解説をしてくれる人がいた。テレビの取材ではあるが、地元ではなく、東京から来たのだそうだ。「なぜ、わざわざ」と聞くと、「住みたい田舎ランキング」で若者に一番人気となるなど大きくランクアップしたことが理由だという。

 宝島社発行の「田舎暮らしの本2月号」に掲載された「住みたい田舎ランキング」で、臼杵市は人口10万人未満の「小さなまち」で総合3位だった。各世代別でもシニア世代で2位、子育て世代で3位、若者世代で1位だった(1月7日付日誌「田舎暮らしを図書館で」)。この結果が注目されたようだ。ともかくも、いつもとちょっと少し違った理由が分かって個人的にはすっきりした。

 ただし、漁の方はあまり芳しくないようだ。実はヒラメを期待して朝市に行ってみたのだが、例年に比べるとヒラメ漁はまったく不振のようだ。豊後水道の漁場に異変が起きているのだろうか。少し心配である。

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